▼福岡県警調べ 重要窃盗犯 認知・検挙比較表


認知件数 検挙件数 検挙率
平成13年
(1-12月)
平成12年
(1-12月)
増減 平成13年
(1-12月)
平成12年
(1-12月)
増減 平成13年
(1-12月)
平成12年
(1-12月)
増減
(ポイント)
件数 率(%) 件数 率(%)
10,447 9,003 1,444 16,0% 2,314 2,689 -375 -13.9% 22.1% 22.9% -7.8


防犯対策は鍵の強化が一般的に行われています。 しかし、ピッキング対策や補助錠だけでは十分な防犯対策とはいえません。


ピッキングとよばれる特殊工具を用いた侵入手口が増える一方、 「ガラス破り」による犯罪も増加傾向にあります。 ガラス破りとは、窓のガラスを割り、手を入れてクレセントを回して開けたり、 玄関扉のガラスを割り、手を入れてサムターンを回して開け、侵入する手口です。 マンション等の共同住宅では約30%、戸建て住宅では実に約70%が ガラス破りによる侵入です。


窓などの開口部からの侵入を防ぐには、開口部の頑丈さが侵入を諦めさせます。 (財)都市防犯研究センターの調査によると、空き巣狙いが侵入を諦める時間は 5分以内が約70%、10分以内が約90%だそうです。 つまり、開口部を破壊する侵入者に対しては、2〜10分の間で抵抗すれば、 その9割は侵入を諦めてしまうと考えられます。


つまりガラスが防犯性能を左右するのです。 (財)都市防犯研究センターではガラスの種類ごとに防犯性能の評価実験を 行っています。これはドライバーによるこじ破り、クレセントを外して外障子を 開けるまでの時間や、破壊行為時の音などを調べたものです。


ガラス種類 厚さ 破壊手段 抵抗時間 最大騒音(db)
フロート板ガラス 3ミリ ドライバー 19秒 85
網入板ガラス 6.8ミリ ドライバー 57秒 94
強化ガラス 4ミリ ドライバー 21秒 88
複層ガラス 12ミリ ドライバー・ラジオペンチ 1分52秒 82
合わせガラス 6.4ミリ ドライバー・ラジオペンチ 1分38秒 79
合わせガラス 7.5ミリ ドライバー・ラジオペンチ 2分10秒 86
合わせ複層ガラス 14.4ミリ ドライバー・ラジオペンチ 4分40秒 88


(財)都市防犯研究センターの防犯性能評価実験の結果、フロート板ガラスや 網入板ガラスなどの単板ガラスに比べて、合わせガラスの方が防犯性能に 優れることが明らかになりました。 また、同じ合わせガラスでも中間膜を厚くすることなどにより防犯性能が 向上することがわかります。


▼ガラスの種類と防犯特性
フロート板 ガラス 最も一般的で開口部に使用される割合が高いガラス。しかし、短時間で破られ、その防犯性能は低い。「熱線反射ガラス」や「装飾ガラス」、「型板ガラス」も破りやすさは同じ。
網入板 ガラス 火災による延焼防止を目的として金網を封入したもの。金網は簡単に切れるものであり、防犯性能はフロート板ガラスとあまり変わらない。
強化ガラス フロート板ガラスを加熱・冷却して製造し、ガラスの強度を高めたもの。人体の衝撃やバットなど角のないものの衝撃に高い強度を発揮するが、先のとがったものでは簡単に破壊できる。
複層ガラス ガラスとガラスの間に中間層を設け、周辺をシールドしたもの。2枚のラスを破るのに手間取ること、ガラス周辺がシールドされているため、ガラスの破片を取り除きにくいことなどからフロート板ガラス、網入板ガラス当に比べると防犯性能に優れている
合わせ ガラス 2枚以上のガラスを強靭な樹脂中間膜で接着して一体化したもので、破片によるケガの防止や衝突した場合の貫通防止が目的。「安全」や「防犯」のために使用される。中間膜を厚くしたり、ガラスを多層化したり、破りにくいポリカーボネート板などを挟んだりするなど、さらに防犯性能が高いタイプが作られている。
また、複層ガラスの片側または両側に合わせガラスを使用することで。断熱性能と防犯性能を兼ね備えた合わせ複層ガラスも欧米では使用されている